
注文住宅に吹抜けを作ることにはいろいろな利点がありますが、一方で難点も存在します。
一つ目は「冷暖房の効率が悪くなる」
吹抜けを作ると開放的な空間が生じますが、その分冷暖房の効率は悪くなってしまいます。
暖かい空気は上に溜まりやすく、冷たい空気は下に溜まりやすいという特性があるのですが、それによって夏場は上の階が暑くなりやすく、下の階が寒くなりやすくなるという状況が生まれがちです。
これについては「天井付近にヒーリングファンなどを付けて空気の流れをよくする」「1階に床暖房を設置する」などの対策が考えられます。
二つ目は「照明の交換などのメンテナンスがしづらくなる」。
吹抜けがある作りの場合、通常の作りと比べて照明の交換などのメンテナンスがしづらくなります。
どうしても照明が高い位置に来ることになるからです。
高さによっては、梯子を使えば届くこともありますが、けっこうな高さがある場合は、自力で交換するのは困難でしょう。
これについては「照明をLEDライトにして交換する回数を減らす」などの対策が考えられます。
また、窓を掃除する場合も、通常の作りであれば手軽にできるのですが、吹抜けがある作りの場合は位置が高くなるので、自力で掃除するのが困難になることもあります。
場合によっては、専門の業者に頼むしかないこともあります。
三つ目は「音などが伝わりやすくなる」。
吹抜けは各階の空間がつながっているので、ある階で出た音などが他の階に伝わりやすくなります。
これは構造上避けられないことなので、吸音材を使うなどするしかありません。
四つ目は「上階の床面積が狭くなる」。
吹抜けを作ると、どうしても上階の床面積は狭くなってしまいます。
そのため、設計時点でどのくらいの広さを確保できるかを確かめておいたほうがよいでしょう。
このように、吹抜けには難点もあるので、これらのことを頭に入れたうえで、注文住宅に取り入れるかどうかを判断してください。